冬土用も残すところあと一週間となった。
計画通り大掃除は順調に進んでいる。(大目に見て。)
この家に引っ越して以来一度も片付いたことがなかったエリアの片づけまで終えることができた。
それはそれは、ものすごい達成感だった。
本当はこのエリアの片づけは夫の担当だった。
だから、片付かないことがストレスになりながらも、口出しも手出しもせずに我慢してきたのだが、堪忍袋の緒が切れたということなのだろうか、機が熟したということなのだろうか、もうやっちゃっていいよね!?というタイミングに達していたのだろう。
鬼の居ぬ間にというやつだ。
片付けてやった。
一度人に任せたことに干渉するのはいけないことだろうし、勝手にやってしまうなんて言語道断だという認識ももちろんあるが、こういうことはこれまでも多々あった。
もう期限切れですという時点までは、とにかく私は関与しない。
夫が何年その片づけを放置しようが咎めたりしない。
夫が私の手出しに納得がいくであろう時期に達するまではひたすら放置する。
そう、夫が私の手出しに納得できる頃合いを見計らって実行に移すのだ。
片付いた様子を見て、夫は私にただ感謝した。
私も面倒くさがり屋なので、夫がなかなか動き出せない気持ちはよくわかる。
片付けるだけでもなかなか取り掛かろうとしない上に、片付けるためにまずは棚を作ろうだとか更なる計画を上乗せしては、一段と腰を重たくして取り掛かれなくなってしまう、そんな気持ちもよくわかる。
こんなことは一度や二度ではないので、私の方は「大変じゃない?」と、長期間に渡って放置される事態になることを案じて、その決意のほどを伺ってみたりするのだが、だいたいこの時点では夫はやる気に満ちている。
そうなると任せるほかなくなってしまうのだ。
そして私は、ただひたすらに二年という長きに渡って待ったのだ。
夫と一緒になってから、私は忍耐強くなった。
夫は神経質な上に自分のペースを頑なに守ろうとする人なので、上手くやっていくには私の方がフォローしていく以外に方法がなかった。
夫は何事にも時間がかかる。
その上人任せにできない質で、私が手伝おうという申し出を突っぱねてきたりする。
それが私の為にもなるから手伝いたい、そこまで言っても受け入れようとしない。
結局夫が頑固なせいで、私までそのしわ寄せを受けることになるのだ。
そんな経験は山ほどしてきた。
そのお陰で私は忍耐強くなり、そして夫の扱いにも慣れた。
夫の方は、私の言うことに以前よりもずっと耳を傾けてくれるようになっている。
人と人とが一つ屋根の下、共に生活するというのは簡単ではない。
夫は夫で様々な葛藤を抱えながら、この結婚生活を続けてきたのだろう。
お互い様だから許し合える。
と言いながらも、実際には難しい。
お互い様だということを忘れないでいることがとても難しいのだ。
「お互い様」と心に刻もう。